若手医師のための勉強・留学情報ブログ〜プライマリケアへの道〜

2016年卒。プライマリケア医を目指して、現在診療所で働いています。Family Medicineでの臨床米国留学を目指しています。若手医師、医学生さん向けに日々の勉強についてシェアしていきたいと思います。 なお、ここで作成した資料につきまして、間違いやご意見などございましたらご指摘頂けたら嬉しいです。記載内容を二次利用などする際は私の方では責任を負いかねますので、よろしくお願い致します。

USMLE STEP2 CS(Clinical Skills)〜概論〜

USMLEの最難関、STEP2 clinical skills(CS)についてです。

合格するだけなら前回までに解説したSTEP1, STEP2CKはさほど難しくはありません。CSはスコアは関係なく合格することが大事です。受け直しは可能ですが、一度でも落ちるとマッチングに響くようです。

(1発合格を条件としているプログラムも多いです。)

しかしその合格が「日本人にとっては」非常に難しいです。

私は2017年12月にCSを受験しましたが、その直前の秋に衝撃のニュースが届きました。なんと、ボーダーが10%も上がるとの内容でした。試験直前についてないなと激萎えしたのを今でも覚えております(^_^;)

 

試験形式は12症例(4症例☓3、休憩2回、1回はケータリングの食事つき)の問診+身体診察(あわせて15分)+カルテ(10分)になります。細かいことは本番編でお話しますが、公式サイトのこの動画を見るのが手っ取り早いです。

https://www.usmle.org/step-2-cs/

 

スコアの構成成分は

 

ICE(Integrated Clinical Encounter)=問診力、カルテ作成能力

CIS(Communication and Interpretation skills)=コミュ力、思いやり

SEP(Spoken English Proficiency)=英語力、流暢さ

 

の3つです。3つすべてで合格点を取る必要があります。

 

話をわかりやすくするために、私のスコアシートを提示します。

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日本人で問題になるのは唯一、SEPのみです!!

私も画像にある通り、スレスレでした(^_^;) 私の英語力はTOEFL未受験、外国居住経験無し、英検準1級程度であり、日常会話、病院英会話はなんとかなるものの、英語字幕なしの映画は到底無理、スピーキング力はたかがしれている状態での受験でした。

ICEはケースの対策をして回数を重ねれば必ず点を取れます。勉強をしているとこのICEが最も大事に思えてくるのですが、合否に関わるのはここではありません。CISも後に記載する思いやりセンテンスをとにかく挟めばOKです。

しかし、帰国子女、ネイティブでなければSEP用発音矯正が必須です。最近日本人のSEP単発落ちが非常に増えているようです。原因は2017年秋のボーダーアップによるものと思われます。私は特にSEP単独対策はしませんでした。理由はオンラインCS講座で発音を特に指摘されることはなかったからです。本番の試験でも聞き返されることもありませんでしたが、それでもスコアはギリギリでした。何が問題なのかと考えるとそれぞれの発音のクオリティだったのだと思います。こうしておけばよかったのではという具体的な対策方法は各論で書いていきます。

 

ちなみにICEは複数のドクターによるカルテ採点で、SEP, CISは模擬患者さんたちによる採点です。模擬患者さんたちの評価を重要視していることが点数配分からも見て取れます。

 

最後に概論の重要事項のおさらいです。

 問診、カルテ力/コミュ力、思いやり/英語力 3つ全部が必要

 問診、カルテはドクター採点、その他は模擬患者採点

 英語力と発音、それが問題だ

 

次回以降はICE/CIS/SEPそれぞれの各論を書いていきます。